クラシックD&Dやろうぜ!(導入編)

2013年01月

何なんでしょうね、ホントに。
セーヴィングスロー(=Saving throws)、直訳すると「節約投げ」か…

こりゃ説明しにくいな。

短刀直入にいうと「大ダメージ半減及び重篤効果の回避」といったところでしょうか。
1d20して指定された数値「以上」を出せばダメージ半減/回避成功となります。
クラシックD&Dでは戦闘時における個別の「回避」という判定がないので、例えばドラゴンブレスなんかだと息の範囲内にいる相手は一様に大ダメージを受けてしまいます。
また、問答無用で即死するような凶悪な仕掛けなんかも多数存在しています。
これらによる被害を半減~無効化できる可能性を数値化したものが「セーヴィングスロー」なのです。

このことはルールブックに書いてあるのですが、詳しい説明はDM用を見ろとかふざけた文言で締めくくられています(赤本)。
しかもDM用のルールブックを見ても詳しく説明はされていません。
電撃文庫版RCPには若干補足されているようですが。

なので、簡単に各項の内容について解説してみましょう。

まずは「デスレイ・毒」。
デスレイは「死の光線」と書いてある場合もありますね。
これは罠などに仕掛けられていることもある、即死効果を持つ謎の光線です。
毒はそのもの、ズバリ毒です。
このセーヴィングスローは「もっとも成功しやすい」値を持っています。
そのため、様々な場合にこの値が利用されます。
特にウェポンマスタリーを導入した場合、その特殊効果の成否判定にかなりの割合で出てきます。
基本的には「即死」やそれに繋がる危機、及び毒による効果を避けられるかの判定に用いるものです。
また、毒については様々な効果が考えられますが、例えば麻痺するタイプの毒であっても、パラライズのセーヴィングスロー判定ではなく、毒でのセーヴィングスロー判定を行います。

次に「ワンド」の項。
これは「魔法棒」や「マジカルワンド」などと表記されることもあります。
魔力の込められた小さく細い棒=おとぎ話によくある魔法使いのステッキなんかを想像してもらえれば多分それでいいと思います。
そしてこのワンドの使用についてはマジックユーザーとエルフのみが許されています。
このワンドに込められた魔力によって引き起こされる効果には、この値を用いてセーヴィングスロー判定を行います。
ワンド以外の効果でこのセーヴィングスロー値を使うことは余りありません。

次に「パラライズ・石化」です。
これも読んで字のごとく「パラライズ/麻痺」と「石化」の効果が現れるかどうかの判定に使用します。
判定に成功すれば効果は一切現れず、その他にペナルティを受けることはありません。
パラライズには2種類ある(黒本:ウェポンマスタリーの項にある)のですがそのどちらも行動できなくなるという意味では変わりがありません。
どちらの場合でも、また石化も含め判定に失敗した場合はほぼ「死」を意味することは語るまでもないでしょう。

そして「ドラゴンブレス」。
これはドラゴンブレスだけでなく様々な「ブレスウェポン」と呼ばれる呼気による攻撃を半減できるかどうかの判定に使用します。
ただし、状態異常を引き起こすブレスウェポンの場合、該当する状態異常のセーヴィングスロー値を使用することもありますので要注意です。

最後に「呪文・スタッフ・ロッド」。
まずはスタッフとロッドについてですが、ロッドは3フィート程の片手で持てる杖、スタッフは両手で持つ6フィートを超える長さの杖です。
このうちスタッフは武器としての「スタッフ」のように直接打撃を与えることもできるものです。
ベーシックルール上ではスタッフはクレリック専用の魔法の装備ですが、エキスパート以降ではその効果によって使うことのできるクラスが拡張されます。
ロッドについては基本的にはどのクラスであっても使用できるものであるようです。
このセーヴィングスロー値は最も厳しい値に設定されています。
相手がこういった魔法のアイテムを駆使してくる場合には細心の注意を払い、まず行使させないことを考えるといいかもしれません。
そして「呪文」のセーヴィングスロー値ですが、この数値はスタッフ・ロッドの値からウィズダムの修正値を引いた値となります。
ただしどんな場合でも「1」の目は失敗となることを忘れないでください。
「スペル」とも表記されることのあるこのセーヴィングスロー値ですが、全ての呪文に対してこの判定を行うわけではありません。
呪文によって引き起こされる状態異常については該当の状態異常のセーヴィングスローを使用する場合も多く存在します。
その場合には残念ながらウィズダムの修正は加味されません。

とこのようにざっくりしているようで細かくて、それでもいいかげんなのがセーヴィングスローの特徴です。
なんにしてもこれらは数値が低いほど良い、能力値とは逆の特徴を持った数値です。
そしてこの数値は一部の魔法のアイテムによる効果を除き、レベルの上昇でしか向上させる術はありません。
更には、低レベルにおいてはデミヒューマンは非常に良好なセーヴィングスロー値を持っています。
逆に人間はクラスを問わず最高レベルにおいて、全てのセーヴィングスロー値が「2」になります。

つまりは低レベルの冒険者にとって「死に直結する数値」がこのセーヴィングスローというものなのです。続きを読む

アイテムの件は以前記事にしましたが、アレとは別の切り口で「初めて冒険に出る人」に向けた内容でひとつ。

まず、何はさておき買っておきたいのは、「バックパック」でしょう。
これは背負い袋とも呼ばれる、要は丈夫な革製のリュックサックです。
特徴は「両手が自由になる袋」ということ。
さほど多い収容量ではありませんが、これから挙げる携行品やダンジョン内で見つけた宝物などを持ち運ぶためには必須のアイテムです。
また、マジックユーザーの魔法の書はこの袋にいっぱいの大きさで、他のものが入らなくなりますが、手で持って移動するよりははるかに安全に持ち運べます。

次にダンジョン探索のためには「たいまつ」や「ランタン」と「」がなければお話になりません。
たいまつは火を点けて叩くことで棍棒並みの威力を発揮する武器にもなります
火でしかダメージを与えられないモンスターなどには有効な攻撃手段になりえることを覚えておいてください。
ランタンは価格が高めですが、シャッター付きで何かの時にはそのシャッターを閉じることで明かりを隠すことが出来ます(とはいえ燃焼には熱が発生しますのでインフラヴィジョンからは丸見えです)。
油はビン入りで、投げて命中し、その後相手に火がつけば大きなダメージソースになる可能性があります。
火をつけてから投げることも出来ますが、それには布でビンの口をふさぐ等の若干の細工が必要です。
それ以外にも油の使い方はイロイロとあります、それぞれで想像して見てください。

当然それらに火をつけるには火種が必要となります。
それが「火口(ほくち)箱」です。
特に解説は必要ないでしょうが、急遽火をつけなければならないような状態に陥ってしまった場合には、成功判定が必要となります(1/3の確率で成功、天候などにも左右される)。
邪魔が入らない場合には、この成功判定は無視してもかまわないでしょう。

もしダンジョンで大量の財宝を見つけたらどうしましょう。
両手に抱えて帰るのにも限界がありますから、「袋(小袋・大袋)」を用意しておくといいでしょう。
これには大きさで区別された2種類がありますが、どちらも布製の巾着のようなものと考えてください。
丈夫には作ってありますが、不注意でどこかに引っ掛けて破れてしまう可能性もないとは言えません。

その他にも何かと便利なのが「ロープ」です。
普通、店では50フィート分(約15メートル分)のしっかりとしたモノを売っています。
捕らえた敵をふん縛ったり、「鉄のくさび」や「固定フック」などと組み合わせて進行の補助にしたり、落とし穴に落ちた仲間を助けたりと様々な用途があります
もちろんここに挙げた以外にも考え付く限りの使い方ができるこれぞアイテム(道具)といえる便利グッズです。

冒険中の水分補給のためには、「水袋」を用意しておくことをお勧めします。
これは大型の動物(主に牛馬など)の膀胱などを利用して作った柔軟性を持った素材の、約1リットルほどの容量がある袋です。
当然口を縛る革紐のようなものも取り付けられているでしょう。
冒険中の水は、とっさの時の消火や、手に付いた何かを洗い流すなど実に多くの使途をもっています。
このことから必ず一つは携行したい重要なものです。
また、携行用の「ワイン」もこの袋に入れた状態で購入できます。
少々値は張りますが、水と同じような使い方が出来る上、酒好きの何かと交渉することとなった場合には、何よりも優秀な材料となります

水とくれば食料なのですが、序盤のダンジョン探索においては日帰り探索がメインとなるでしょうから、この時点ではさほど重要なものではありません。
尋常じゃない広いダンジョンや屋外の冒険においてはコレがなければ戦意の喪失やそもそも動くことが出来なくなるなどの問題も出てきます。
そういった冒険に出る際には必ず買ってから出発するよう心がけましょう。
通常食」は普通の状態で1週間、「保存食」は8週間ほど腐らずに口にすることが可能です。
湿気の多いダンジョンなどの劣悪な環境では極端に消費期限が短くなることもあります。

シーフであればその技のための「シーフの道具」、クレリックであればターニングアンデッドのための「ホーリーシンボル」が必需品です。
忘れずに購入しておきましょう。
せっかくの独自スキルが発揮できないのでは恥ずかしいですからね。

必需品といえるものはこんなところです。
そのほかのアイテムも使いようによってはイロイロと役に立つものもあります。
反対にある物事に特化したアイテムもあります。
事前に情報収集をすることで、何のアイテムが必要になってくるのか判明する場合もあります。
そこのあたりはDMがどこまで優しい人なのか、甘い人なのかという部分も大いに関係がありますね。続きを読む

よく聞きますね「ウェポンマスタリーがバランスブレイカーである」と。

確かにほとんどの武器では、マスター~グランドマスターまで修得すると「クレイジー」な強さを発揮します。

でも、ちゃんとルールブックを見てみると、修得レベルの上昇には教えてくれる師匠と膨大な現金が必要であることが書いてあります。
マスターレベル→グランドマスターになるためには例え師匠がグランドマスターレベルの達人であったとしても、修得に12週間、週当たり1000gpの現金(つまり12,000gp)が必要で、それだけ費やしても成功率は20%という、かなりのコスト&リスクが発生するということです。
つまり、クレリックのターニングアンデッドのように自動的に新たなレベルを修得できるものではないということが「ハッキリ」と書いてあります。

次に、それほどまでに修得が困難であるグランドマスターレベルの能力を持った師匠がどれだけ存在するのか、という問題が出てきます。
1レベルでウェポンマスタリーを導入した場合、ファイターであれば最大で4つの武器をベーシックレベルで開始できる。またマスターの判断によっては2つの武器と2回の上昇チャンスというボーナスの与え方かもしれません。
後者の場合少々面倒くさいことにはなるが、まぁ通常であれば1つの武器についてスキルド、2つの武器についてベーシックといったところが妥当なところでしょう。
そしてファイターはキャラクターレベル3、6、9、11、15、19、23、27、30、33、36到達と以降はXP値によって上昇チャンスが得られるので、グランドマスターまでは最短3回の修得チャンスで成長できる「可能性」がある。
師匠がグランドマスターであった場合、スキルド→エキスパートの上昇成功率は80%。
同様にエキスパート→マスターで50%、マスター→グランドマスターで20%となる。
ということは、3回のチャンスでグランドマスターになることができる確率は「8%」ということです。
これを高いと見るか低いと見るか。(ちなみに4回目で修得できる可能性は16.2%、5回目で修得できる確率は20.4%でした、間違ってたらスミマセン)
確率的に見ても15もしくは19レベルで修得が可能になるというのが現実的でしょう。

しかし、これは師匠がグランドマスターであった場合、と始めに正してあります。
なおかつ1度修得に失敗した道場では同じ武器を修練できないとかなんとかあったと思います。
つまり上記の例では19レベルでグランドマスターに達したファイターは、最低でも4人のグランドマスターの師匠に出会ったことになるのです。
ノーマルソードあたりの一般的な武器であれば剣の達人もそこそこいないことはないでしょうが、マイナーな武器の場合、例え強くても師匠が見つからない可能性がありうるでしょう。
そしてその条件下で2つの武器をグランドマスターにするとなると36レベル以降になってしまう可能性も非常に高いといわざるを得ません。

相当に幸運が重なった場合でなければ、ネームレベル程度でマスター~グランドマスターレベルの武器修練度を持った者などいないということがわかっていただければ結構です。
つまり町の道場で武器の扱いを教えてくれる師匠は相当に高レベルなグランドマスター修得者かソコソコのレベルのマスターレベル修得者であることが導き出されるわけです。

とはいえ、1回失敗ごとに成功率+10%という救済措置もありますから、18人の師匠を見つけて、18回の修練を経れば、誰だってグランドマスターレベルの使い手になることは出来ます。
そこまでくるとイモータルの存在をビリビリと感じながら剣技を鍛えるという、よくわからない状況ではありますが。

簡単にこの件について提案してまとめると、
町の道場の師匠は基本的にマスターレベルの修得者、1~2割程度の確率でグランドマスターである可能性がある。
錬兵場などの専門組織に所属する教官はグランドマスター、マスター半々ぐらいの比率。
これらはあくまではメジャーな武器について。
マイナー武器については、この1割~半分ぐらいのグランドマスターの存在数にすべき。
メジャー武器とはノーマルソード、ショートソード、ロングボウ、ショートボウ、スピア、バトルアックス←ドワーフの師匠次第)ぐらいに絞る。


このウェポンマスタリーについては武器の威力ばかりが取り沙汰されて、やれバランスブレイカーだ、マンチキンの温床だなどと言われがちです。
しかしこの修得のし難さという要素をキチンと盛り込んでやると何も狂ったバランスになるばかりではありません。
なんとしても成長を望むのであれば、プレイヤー達は優秀な師匠を探す旅に出ることもあるでしょう。
それが新たな物語を紡いでいくこともあるでしょう。

もう一度言います、ウェポンマスタリーは自動的に修得レベルの上がっていくシステムではない、ということをご承知ください!続きを読む

これは古本屋さんで今でも(比較的)安価に手に入るから、新和版が手に入らない人には強くお勧めします!

DMやらないのならば第一巻(?)の「プレイヤーズ」だけでいいですしね。

読み易いとか読み難いとかはあるでしょうが、内容的には前版のエキスパートルールの途中まで+アルファといったところなので、ズバリ初心者向けです。 


んで、巻末のほうに「技能(選択ルール)」ってのがあります。 
これが新和版というか前版にはなかった内容のものです。
現行の諸ルールにも盛り込まれてるいるので、よく知っているって人も多いと思います。

が、しかし!これは選択ルールということで与えられているルール。
DMの判断で採用したり採用しなかったりできるルールという位置づけです。
以前述べたウェポンマスタリーや個人イニシアチブ、詳細エンカンブランスなどと同じですね。

DM的にはコレを採用することで昨今の(システマチックな)TRPGから入ってきたプレイヤーに「プレイさせ易い」環境を構築することができます。
むしろ技能でがんじがらめにしたシステム上で遊んでいた向きにはクラシックD&Dの「技能ルール」はなんとも物足りないぬるいものに映るでしょうが。
その他にもキャラクターに個性を持たせるのも容易になるでしょう。

(※ここから老害発言)
しかしながら、個人的に思うことは「技能ルール」はクラシックD&Dの良いところを消してしまう悪魔のシステムではないかと考えます。

その昔、D&Dと双璧をなすファンタジーRPGとしてルーンクエスト(以下RQ)というものがありました(まだあります)。
このRQはベーシックロールプレイングというシステム(通称d%システム)の上に成立しているゲームで、当時は「精密なルールを有した上級者向けのRPG」という雰囲気を醸しておりました。
最近ブームのクトゥルフの呼び声(CoC)もこのシステムですね。
なのでそっちからTRPGに入ってきた人にはRQは受け入れ易い内容であろうと思います。
詳しく解説し始めると年が明けてしまうので割愛しますが、要は技能成否判定でゲームを進めるのはRQのほうが「キャラ作成は面倒だけどプレイは楽」という感じでした。

クラシックD&Dはデータを参照して処理していくことよりも会話や雰囲気によって物事を進めていくのに適したシステムであろうと考えます。
「技能ルール」は非常に面白い選択ルールですが、(あくまで個人的には、)コレを採用しないほうがよりクラシックD&Dっぽさが出ると思います。
それに加えてなんでもかんでもWIS判定とDEX判定ではなく、1d10で5以上(能力修正を加算する)とかの判定方法もご利用ください!ということが今回の最終結論です!続きを読む

※今回はDM用の内容です。ワクワク感をもってクラシックD&Dをプレイしたい初心者プレイヤーさんは絶対に読まないように!

クラシックD&Dを始めてしばらくたったDMの陥りやすい罠。
それが「盛り過ぎ」です。

次々に湧いてくるアイデアをコレでもかと1つのダンジョンに詰め込んで、脳内シミュレーションで色々な展開を創造して「コレは楽しそうだ」とウキウキしてセッションを迎える。
そして実際プレイすると想定外のことが起きたり、仕掛けが多すぎてテンポが悪かったり、多彩なモンスターを処理しきれずにグダグダになったりしたことってありませんか?

それの原因が前述の「盛り過ぎ」なのです。

PL達を楽しませようと、また単にDMの自己満足の為と、いろいろ理由はあるでしょうが、PLが受ける最終的な印象は「面白かったか面白くなかったか」ということに尽きるということは頭に置いておいてください。
逆に熟練PL達を楽しませるには「盛り過ぎ」も手法としては有効です。が今回はまだまだ初心~初級でのお話ですので、そこも押さえておいてください。

印象に残るダンジョンに仕上げるには「一にテンポ、二に仕掛け、三にお宝、四の五の言わずに何度もトライ」ということでしょうか。

まず、テンポについてはDMによる長ったらしい解説やNPCのモノローグなど(もしあなたがプロのナレーターやアクターであればこれは反対に強力な武器となる!)や、ワンダリングでの戦闘やその後の処理などに手間取ったりすることが、主な原因であろうかと思います。
これはDMを何度もやっていけば改善されるはずですが、ひとつふたつ心掛けることでガラっと良くなることもあります。
それが、「平易な言葉で簡潔に伝えることを意識する」ことと、「切り捨てる勇気を持つ」ということです。
前者はまぁそうでしょう。
後者については色々なパターンが考えられます。
DMはその権限で、ワンダリングモンスターについてならばそもそも遭遇しなかったことにしてしまえるし、せっかくPL達を驚かせようと配置した罠も状況次第では無いことにしてしまえる。
もちろんお話のキーとなる部分を切り捨ててしまっては何にもなりませんから、ソコは履き違えないでください。
あくまでも省略可能なところは省略しても構わないということです。ルールブックに縛られるのは上策でないということです。

仕掛けについては、特にキャンペーンシナリオをやる場合に良く取るやり方ですが、初回のダンジョンにキャンペーンそのもののキーアイテムを配置するというやり方があります。
これはもう、伏線張りという使い古されたパターンではありますが、今でも極めて有効です。
基本的に「ベタ」な展開は、テーブルトークRPGにおいては未来永劫風化することは無いと思います。
これは初回においては印象に残さずに、物語のクライマックスで初回を振り返らせることによって印象付けるという正に常套手段ですね。
その他にもセッション前の雑談の中に、本編での謎解きのヒントを紛れ込ませるテクニックもあります。
PLが鈍感だと全く意味を成さない行為ですが、ヒントに気づいた瞬間のPLの表情は是非一度見ていただきたい。
他にも、普段タクティカルバトルをやっていないセッションにスクエアタイルと駒を持ち込んだり、途中で突然コーラを配ったり、そんなことで印象はガラりと変わります。
ただ「音」関係の仕掛けは上手くいったことがありません。
BGMだとかボイスチェンジャーだとか工夫することもあったようですが、往々にしてグダります。
その原因が「テンポ」が悪くなるからということと「DMのチョイスがPLにとってキモい場合がある」ということです。 
詳しくは説明しませんが、キモいの良くないと思いました。

お宝の部分は前述の「初回にキーアイテム」という内容も含みます。
実際やったことがあるコトといえば、「レベルがギリギリ上がらないよう工夫した宝物を与える」とか「ギリギリ足りないかと思ったら宝石が1個ブーツの中にあった」とか「ダンジョン内で壊れてしまった武器の魔法の武器が手に入った」とか そういう感じでしょうか。
戦闘や探索といった気を張ってプレイした後の、ホッと一息ついた瞬間にインパクトのある宝物があれば、PLの印象に残ることは想像に難くないでしょう。

しかしながら、これらを把握したとしてもなかなか上手くいかないのが現実です。
ということで、なんどもトライして自分流のダンジョンを造ってみてください!シナリオを、キャンペーンを創ってください!
あとは盛り上がる箇所を一回のセッションで1~2つ程度に抑えるのが経験上、良い印象を持ってもらえることが多かったことも書いておきます。
読み返してみるとクラシックD&Dでなくてもいいような内容ですね。
お目汚し失礼しました。続きを読む

イマイチ理解しにくい部分もある、テーブルトークRPGでの時間管理。
クラシックD&Dでも同様の問題があります。

そもそも例えば同じ「ターン」という単語がゲームごとに微妙に(または全く)違うってのも混乱の要因ですね。


で、大まかに言うとクラシックD&Dには「ターン」という時間軸と「ラウンド」という時間軸があるわけです。 

その中で1ターンは10分間とされ、何かを調べたり、制限範囲内で移動したり、交渉したりを「原則1度だけ」行える時間という設定です
また1ラウンドは10秒間と決められ、これは戦闘において剣を振るったり、敵に駆け寄ったり、呪文を詠唱したりするのににかかる時間ということです。
単純に考えたら1ターン=60ラウンドということになるのですが、実はコレそういうわけでもないのです。
具体的にいうと「1回の戦闘は1ラウンド1ターン内に起きた出来事」という概念があるためです。(20150714訂正)
つまり、数ラウンドで戦闘が終わったとしても、休憩や落ちている宝の回収などをやったら1ターン丸々かかるということです。
これはベーシックルールではっきりと書かれています。

そしたら、60ラウンド超えたらどうなるの?

どうなるんでしょう。
結論を言うと「そんな長い戦闘はプレイヤーもDMも疲れるのでやらないほうが良い」といことになります。
そういった長丁場の戦闘をやりたいのであれば「戦闘のみに注力したシナリオ」で対応すべきだと(あくまでも個人的には)考えます。
もちろん、コアルールセット(赤本~黒本のみのコト)以外の部分で解説してあるものもあるでしょうし、コンパニオンルールにある大規模戦闘やマスタールールにある攻城戦などはこのブログの範疇ではないので割愛していることもあって、これが全てでは無いことは承知しています。

この考え方の根底にはDMは楽できる箇所は楽をすべき、というものがあります。
なんでもかんでも杓子定規の四角四面で対応していたのではDMの疲労が蓄積するばかりでなく、(特に不慣れな)プレイヤーの側にも余裕が生まれてこないことになり、結果「つまらない」セッションとなる可能性が高いのです。
もちろんターン/ラウンドの概念をキッチリ管理しながら良いシナリオ運営も出来るとは思います。
しかし、「ダンジョンマスター」という呼び名以上にダンジョン以外の部分の責任を負っているのだから、楽したっていいじゃない。
むしろタウンアドベンチャー等であるならば、時間の管理を放棄した「ゆる~い」マスタリングというのはシナリオ内の「お話」の部分を前面に出すにはもってこいであると思います。

もっともダンジョンに潜って云々というシナリオでは消耗品管理や呪文などの効果時間などの管理もあるので、ある程度のターンカウントは必要だと思います。

それと、戦闘時の移動距離で通常の移動はできないのか?という疑問もありましょう。
これも結論から言えば「不可能ではないが現実的ではない」と答えるほうがいいでしょう。
通常速度は探索しながらソロソロと足を進めている状態。
戦闘速度は戦闘時というアドレナリンか何かが出まくっている状態でこその移動速度であり、瞬間的な爆発力をもって戦いに挑んでいるということであれば、(例えば)通常移動速度60’/tnが戦闘速度20’/rdであることには何の疑念も抱かないはずです。
逆に戦闘時と同じ興奮状態を維持できる何かがあって、体力が続き、かつ安全に移動できる環境であるならば通常60'/tnが1200'/tn=400ヤード/tnであっても問題は無いと思います。
そんなシチュエーションがあれば、の話ですが。

なお、通常速度 120'/tnのキャラクターが興奮状態を維持してモリモリ体力で「走行」した場合、7200'/tn=2400ヤード/tn≒13km/h。
フルマラソンをおよそ3時間半で走りきる速度です。
いかに陸上長距離の選手が驚異的な速度で走っているのか良く分かりますね!続きを読む

※今回の記事はD&Dとあまり関係がありません(個人的には直結した話です)!

すごく懐かしくなるものがあった。
当時の値段より少しばかり高かったけど、小遣いで買えるレベルなので買ってみた。
目から汁が出そうになった。

ヒント↓
アドベンチャーシート

アドベンチャーシート未使用のファイティングファンタジー(1985創元推理文庫刊)とか!
ちょっと目を疑いました。

当時中学生だった私が、生まれて初めて体験したテーブルトークRPGがコレでした。

その前にソーサリーやらバルサスの要塞やらやってて、その流れで購入したものの、「コレ一人じゃ遊べないジャン!」となって、学校に持っていって、友達を集めて教室で遊んだのです。
当然ゲームマスターをすることになりました。
つまり私のテーブルトークRPGはゲームマスターで始まってるわけです。
そして、その友達の中にD&D(当時は赤箱しか出てませんでした)を持ってるヤツがいて、ソイツの家でプレイヤーとして初めてD&Dを遊びました。
そこから私の長い長いD&Dとの付き合いが始まったのです。

現在においてはさほど煩雑ではないルールであるD&D(それも赤箱オンリー)がなんとも難解な、そして高度な「大人」を感じさせる魅力に溢れていました。
その後も、小遣いが極めて少なかった私は、その友達からルールブックを借りたりして読んでました。
その頃の版の赤本はマイナーチェンジ前の内容で、誤植やヘンテコ文章などが多いモノでしたが、それでも何かとんでもない可能性を感じてしまったのです。
中学二年生にはあまりにもストライクなブツだったのでしょう。

ともあれ、ファイティングファンタジーの解説をすることは無いでしょう。
今回だけの、ちょっと懐かしい気分をここに書きたかったという記事です。

お目汚し失礼しました。
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